サッカーというスポーツはなぜ引き分けが多いのか
サッカーの試合結果で引き分けが多いと思っている人がいるのではないでしょうか。それはサッカーというスポーツが勝ち点制を導入していることにあります。
野球はリーグ戦の場合、勝率で順位を決めますが、サッカーでは勝ち点の多さで順位が決まります。すなわち、勝った場合は勝ち点が3、これはもともとは2でしたが、引き分けの場合は1与えられていました。負けた場合は0です。当然勝つのが理想的ではあります。しかしながら、勝つためには得点が必要で、得点するためには攻撃に比重を置くことになり、その分守備が手薄になり、失点するリスクが増えるということになってしまいます。
要するに勝つためにはとにかく攻撃したら良いというわけではなく、攻撃と守備のバランスが重要になってくるのです。
確かにサッカーのフォーメーションの変遷を見てみると、サッカーが始められたころのフォーメーションは攻撃一辺倒のものでしたが、徐々に守備を重視するものへと変わっていきました。敵が攻めてくるのを待つのではなく、守備側がボールを奪いに行く攻撃的な守備が行われるようになり、プレッシングサッカーというものも生まれました。勝ち点の獲得に対する考え方が変わっていったのです。勝つのが理想ではあるが、勝ち点2を得るために攻撃を重視すると失点するおそれがあり、負けるリスクを負います。それに対して引き分けであれば勝ち点1を獲得できるのです。得点できなくても失点さえしなければ0対0の引き分けとなり勝ち点1プラスとなります。
勝つサッカーから負けないサッカーを目指すようになり、守備的なサッカーが主流になっていったのです。
最初に勝ち点が2から3に変更になったことを述べましたが、これはあまりに引き分けの試合が多いので取られた措置だったのです。それでもやはり守備を重視した戦術が多く取られているようです。