サッカーのシステムは常に進化する
サッカーには様々なシステムがあります。主流なのが3-5-2や4-4-2、4-4-3や3-5-1でしょう。現在でもこのようなシステムを用いているチームが多くありますが、中には今までにはなかったようなシステムを採用するチームも少なくありません。例えば、イタリアセリエAのローマで脅威となったゼロトップシステムです。文字通りFWが一人もいないシステムで、守備と中盤に人数をかけています。ゼロトップだからと誰もゴールを狙わないのではなく、セカンドトップのような形で攻撃と守備の役割を果たすのです。
また、4-2-3-1も増えています。4バックにボランチが2枚、トップ下かセンターハーフに1枚配置して両サイドに1枚ずつという構成です。このシステムは、以前は4-5-1とも呼ばれていました。4-5-1は中盤の5枚が同じような役割を求められるのですが、4-2-3-1になることで中盤の2-3がより決められた役割や能力を求められます。例えば、ボランチの2枚ですが4-5-1では前線にも顔を出し得点シーンにも絡むことが多く見られました。ところが4-2-3-1システムの中では、攻撃にはさほど顔を出すことはなくどちらかというとアンカーとして守備力を駆使してチームを支える、いわゆるチームの心臓としての存在になってきたのです。
さらに、21世紀に入り世界的にも見られないシステムを採用したチームがありました。それが横浜FCです。当時はJ2で戦っていた横浜FCですが、2-4-4システムでリーグを戦っていたのです。守備が2枚なので、攻め込まれたら一溜まりもない、と感じる人もいるのではないでしょうか。ところが、実際には4人のFWで攻めれば攻められることはない、という哲学のもとである程度の結果は残しました。今ではこのシステムを採用するのは、チームが負けている状況に限るとも言われています。